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<大相撲初場所>「私は帰ってきた」朝青、崖っぷちから栄冠

◇大相撲初場所千秋楽(25日、東京・両国国技館)

【写真特集】朝青龍の15日間をすべて見せます 大相撲初場所 主な取り組み

 「私は帰ってきました」。国技館の1万1千人、さらにメディアを通したファンの前で、涙ながらに言葉を絞り出した朝青龍。「次はない」と語ったがけっぷちからはい上がり、栄冠をつかんだ。

 本割は拍子抜け。「硬くなった。待ったかと迷い、やってしまったと思った」。中途半端に右上手を取りに行く脇の空いた立ち合いで、白鵬に勝てる訳がない。

 「1敗で楽になった。もう一番あると思い励みにした」。優勝決定戦までの数分間。てっぽうや当たりを確認しているうちに、こう思って冷静になれた。

 決定戦。考えて立った。白鵬の得意は右四つ左上手。その左上手を遠くするため、右前みつを取り、左を肩まで差して頭もつけた。まげを乱してまでの完勝。歓声に思わず両手が挙がった。

 5場所ぶりの優勝は、自身、最も長い空白だった。「久しぶりに『朝青龍』に戻って集中できた」と語る。「長い間けがに苦しみ、こういう舞台に二度と上がれないかもと思った」。昨年名古屋場所からの3場所連続休場は、けがだけではない。モンゴル巡業や、その後の調整不足など、土俵に集中できなかったせいもある。

 けいこ総見でもふがいない姿をさらし、追いつめられて迎えた初日の稀勢の里戦。俵に足が掛かってからの逆転勝ちに「行けるんじゃないかと思った」。

 ただ忘れてはいけない。15日間に危ない相撲は何番もあった。「白鵬には歯が立たないが、朝青龍には次いけるかもと思った」と話す対戦相手もいる。決して威厳を回復したとは言えない相撲内容だった。

 危機を脱し、謙虚に土俵に向き合えるかどうか。まずはカムバックは果たした。【上鵜瀬浄】

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